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映画「エヴェレスト神々の山嶺」阿部寛・岡田准一は原作イメージ通り。映画ストーリーはイマイチ

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原作の長さを考えると映画化は難しかった?

人や神に愛されず不器用な生き方しかできない羽生丈二。前人未踏のルートで挑む羽生のエヴェレスト。神は彼にどう審判を下すのかーー

イギリスの登山家、マロリーのものであろうカメラにまつわるミステリーから始まり、その謎を追うカメラマンの深町(岡田准一)が、日本でかつて有名だった登山家、羽生丈二(阿部寛)に出会う。羽生に魅せられ彼の生き方、彼のエヴェレストを追っていくストーリーです。

原作は非常に長く分厚い本2冊分。

上巻が主に羽生の人物描写で、下巻が羽生のエヴェレスト登攀。羽生の挑戦をカメラに収めるべく、深町が彼を追っていきます。

長い話ですが、羽生という人物の壮絶さや山の緊迫感が生き生きと伝わってくる小説で、初めて読んだ時は山の知識ゼロなのに夢中で一気に読んだものでした。

今回映画化されたエヴェレスト神々の山嶺は、原作が骨太で話が長い分、万弁なく映画にしようとして深みがなくなってしまったような気がします。

といっても、一緒に映画をみた原作を知らないきのどんは満足したようでしたが(^^;

ストーリーの重要な部分が伝わりにくい

原作を知らないとわかりにくいだろうなという箇所がちょこちょこありました。

例えば、羽生丈二がエヴェレストの南西壁ルート、冬季無酸素単独登頂を目指している事に深町が気づくシーンがありますが、羽生がやろうとしている事がどれだけ深町にインパクトを与えたか、原作を知らないと、もしくは登山を知らないとよくわからないと思う。

エヴェレストの南西壁はほぼ垂直に近く登頂するのに非常に困難なルート。ノーマルルートといわれる東南稜もありますが、羽生は困難な南西壁を、凍って滑りやすい冬季に単独登頂で行おうとします。

しかも地上の3分の1しか酸素濃度がないエヴェレストを酸素なしで。

この条件の厳しさは羽生がこだわった部分(*)で、ストーリー的には結構重要な所です。でも映画ではいまいち重要さが伝わってこなくてとても惜しいと思いました。

(*)羽生がこだわった部分と書きましたが、最初、羽生は世間に自分を認めてもらいたいという欲が強く、この登頂に難しい条件をつけたのも自分が最初に困難な登頂を成功させたという事をみせつけたかったんだと思います。でも、徐々に世間に見せつけたいという気持ちが薄くなってきて、ただ登る、俺は登るという思いだけになってきたように感じました。

他にもエヴェレストに登る羽生をカメラで撮るために深町がネパールへ残り、羽生を待ちながら自身も登山で身体を順応させているシーンがあるのですが、ここにセリフが入らないので、原作や登山を知らない人は、深町が何をやっているのかよくわからなかったと思います。

もし私が原作読んでいなかったら、深町が単に山でぷらぷらしているように見えた気がw

映画は原作知らないで見る人も多いのだから、深町をストーリーテーラー的な位置づけにして、もうちょっと解説を入れてあげるとわかりやすいのになぁ…と思ってみていました。

エヴェレストが軽い・・・軽いよ

8,000メートル級の高い山で登るので(高度3776メートルの富士山の2倍以上)、身体を徐々に慣らしていく必要があるし、登山料(ネパール政府やシェルパなどに払うお金)も高くて入山するだけで250万円ほどかかるのですが、映画では、なんだかぽんぽん軽くエヴェレストに訪れているようなイメージで、エヴェレストの難しさが雰囲気として伝わってきませんでした。

羽生のザイルパートナーだった岸の妹、涼子の格好がまた近所の山登りのような恰好でエヴェレストにやってきていて、世界最高峰の山の威厳が損なわれているように感じました。

映画の全体的に重厚感が少ないのは低予算のせいなのか?わかりませんが、本当にもったいない。

阿部寛、岡田准一は原作イメージ通り。素晴らしかった

辛口な事ばかり書きましたが、この2人は完璧以上でした。特に阿部寛さん。

小説だと羽生丈二はずんぐりむっくりであまり背が高くないイメージだったのですが、背が高い阿部さんが演じても違和感がないどころか、羽生そのものだとすんなり入ってきました。

羽生丈二の山男感、不器用さ、身勝手さ、優しさがすごく出ていました。目力があり存在感が半端なかったです。

かなり楽しみにしていた映画なので、私自身は微妙でしたが、一緒に行ったきのどんは楽しんでいたようで良かった^^

個人的には去年の11月にみたエヴェレスト3Dの方が面白かったです。

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