さてこの映画、ボーダーラインということで善と悪のさかいめ。国と国の国境。などなどいろいろな意味をこめての邦題だったと思います。
原題は「シカリオ」で「シカリオとは、エルサレムにおける征服者ローマ人に対する狂信的暗殺者に起源する言葉」
メキシコでは殺し屋の事を指します。実際メキシコでは市長が麻薬撲滅を宣言したとたん銃で撃たれたりと麻薬組織の力が巨大なんですね。
映画なんかで「麻薬カルテル」って言葉を聞くと思いますが、あれは麻薬の製造・売買に関する活動を行う組織を指します。
特に多いのがコロンビアとメキシコですね。
昔は、たくさんの麻薬カルテルがあったそうですが、今では、2大勢力になっているようで、「シナロア・カルテル」と「ハリスコ新世代カルテル」の 2 大勢力になっているようです。
メデジンは、映画中にもでてきてます。
そんな麻薬をテーマにした映画ということで内容も重いし、冒頭でも麻薬組織が見せしめのためにやった死体など結構グロイ映像がでてきます。
ボーダーラインのパンフレットを見るとFBIが活躍する感じなのですが、実際は「シカリオ」の「ベニチオ・デル・トロ」さんが孤高のソルジャーとして麻薬組織に挑むお話しといったほうが良いかもしれません。
一言でいうと、
「毒をもって毒を制す」
そんな映画です。
ストーリー
ドンパチは最初と最後のほうに少し。
派手なアクションで見せるわけではなく、終始、重苦しい音楽。
映像は、メキシコでのギャングの襲撃や拷問に近い取り調べ、暗視ゴーグルをつけて深夜の敵地への潜入など緊張感ある流れが多いです。
主人公のケイトがどうやって麻薬組織を壊滅させるのかその作戦を知らされてないこともあって、見てるほうもストーリーがすぐにはわかりずらいです。徐々にわかっていく感じですね。
エミリー・ブラントがかわいそう
主役だと思ってたケイト(エミリー・ブラント)は、ほとんど駒として使われて歯がゆいキャラになってます。
駒にされて、何も知らずに連れていかれ、騙されて、撃たれて、脅されてと・・・
下手すると「ケイトのついてない一週間」のようなタイトルにしても違和感ないかも・・・w
といった感じで、最後のほうはデルトロの独壇場でケイトの見せ場もなしです。
ケイトが出てきたと思ったら「あ・・・」となるような後味の悪い感じで終わります。
まぁ、そういったところも含めて終わった後にいろいろ考えさせられる映画になってました。
評価
映画のレビュー評価を見ても、なかなかの高評価です。
最初、デルトロさんや監督のドゥニ・ヴィルヌーヴ好きな人が高評価をつけているのかなと思いましたが、そんなことはないですね。
人間の闇の部分を、音と映像を通してうまく表現しています。特に映像が昔の写真のようで一味違ってました。
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この映画、メキシコ警察も協力していたんだけど、地域によっては買収されてる警察官も多いみたいですね。
麻薬組織も警察官を拉致したりと抗争は激しい・・・